哀れ

闘争

闘争

体はどうだ?

激痛が胸を走るが、無理をしてでもなんとかしなければならない。

大丈夫だっ!

そう思い込む。

意識は?

今すぐにも激痛で気を失ってしまいそうだが、それは許されない。

なんとか立ち上がるが、自分がまともに闘える相手ではない。

葵を注視しながら辺りに視線を走らせる。

(……しめたっ!)

平地では自分の方がはるかに不利。

眼を校舎に向ける。

あれだ。校舎の中なら……

だが、校舎まではまだ十数メートルある。

葵はやはりゆっくりとこちらに歩み寄って来る。距離が欲しい。

緋影は葵からは視線を逸らさずに軽く後退する。

だが。

軽く後退したつもりであろうに、緋影は七、八メートルは飛んでいた。

「これでわかったでしょう。あなたはもう『心眼』に侵されています。精神力だけではなく、身体能力までもが向上しているのがその証拠です。さっきの一撃だって常人なら、動く事も出来ないダメージなんです。もう、一刻の猶予もありませんね」