殺した少女
行ってはみたものの、やはり葵はアパートには居なかった。
(……俺の考えすぎか?)
だが、何だろう、この胸騒ぎは……
(……先輩は、三日間は様子を見る、と言っていたんだ……だからなんだろう)
気持ちを落ち着かせる為に深呼吸をする。自分がじたばたしたところでしょうがないのだが、だからといって落ち着くことなど出来ない。
(……一旦アパートに戻って身支度をしてこよう)
葵の手助けをするならそれなりの備えが必要だ。
動いていると楽だ。思考せずにすむ。
自分が殺した少女について、考えずにすむ。
緋影は赤い夕日に背を向けて、自宅に戻った。