哀れ

「これからどうするんです、先輩?」

両腕を接合すると、二人は校舎を出て、後門に来ていた。

「まずは、三日は奴が再生しないかどうかを見極めて、それから組織に報告ですね」

葵は向き直り真剣な表情で尋ねた。

「ところで話はかわりますが……深山君は今までその力を何度使いました?」

「……今回で、三回目です」

返答を聞いて、明らかに葵の表情が歪んだ。

「どうしたんですか?」

こんな彼女の表情を見るのは初めてだ。

「……いえ。何でもありません」

……どう考えても『何でもない』という事はなさそうなのだが……緋影はそれ以上追求しないことにした。自分が聞いても良い事ではないのだろう。

空を見上げる。

夜空には無数の瞬く星と、輝きを放つ月がある。夜風もどことなく気持ちよく思える。

「それにしても……」

「?なんですか?」

呟きを耳に捉えた彼女は視線を緋影に向ける。

「……いや。何か夢みたいだな、って」

とてもではないが実体験でもしない限り、こんな話を聞いても信用する事など出来ない