眼鏡
「グアァァァァッ!」
彼女の最後を見届けた緋影だったが、すぐさま苦痛の悲鳴をあげ、その場に倒れ込んだ。
「深山君?!」
叫びを聞いて、葵が緋影に駆け寄る。小さな声にひざまず跪き耳を近づける。
「眼鏡……眼鏡だ……あれがないと……俺は……殺人鬼になっちまう」
今までは集中力と化け物に対抗しなければ、という意思の力で衝動を抑えていたが、怪物を倒したことで反動が一気に来ていた。
「先輩……頼む……早く眼鏡を……!」
苦痛に表情を歪める緋影を見て、
「……わかりました。すぐに持ってきます」
短く答え、葵は和室に向かった。
ズキンッ!
両腕を切断されているはずなのに、その痛みを掻き消す位ひどい頭痛だ。
ズキンッ!
ズキンッ!
ま……まずい……っ!……先輩……早く……来てくれっ……!
ズキンッ!
ズキンッ!
ズキンッ!
……あ……頭……が……わ……割れ……る……!
すっ、と頭痛が少しずつ引いていく。感触からして眼鏡が掛けられたようだ。
気付くと荒い息をたてていた。