哀れ

激痛

激痛

だから、泣きはらした顔を上げて、

「俺が、好きな人は……葵、先輩だ」

小川の瞳を見据えるように答えた。

彼女は微笑みながら、

「……やっぱりそうだったのか」

少し残念そうに、でもね、と呟き、

「そんな正直な深山君が、私、好きだよ」

満面の笑みを浮かべて告げた。

涙が頬を伝っていく。

……かける言葉が見付からない……!

「……ありがとう。深山君に会えて、私、良かったよ」

……顔の部分も溶け落ちてきている……

「……元気でね」

「小川っ!」

最後の叫びが彼女に届いたかはわからない。

無情にも彼女は崩れていく。

 ……クズレテイク……

砂も、数分も経つと跡形もなく消えていた。

その様子を、緋影はただ見つめていることしか出来なかった。